本|シン・ニホン

本|£1 = ¥161.06

最近の為替値動きで思ってること。
ダレカウラデテヲマワシテルナ・・・

 

2020年の本。

これは、事典扱い。
僕のような頭の持ち主は、
こんな膨大な量のデータ、
課題、解決案は頭に残らぬ。

けど、読んでいる間中、
あーーー、頭に残してー。
って思うことがやまほど。

だから、必要に応じて、
時々で拾わせていただくのが
僕にはちょうど良い活かし方になるな。

しっかし、日本は課題山積ですな。
ちょうどこの本を読み始めた頃、
弟がこの動画面白いって送って来てくれたんだけど、

 

この中室先生がおっしゃってること、
僕が普段から思っていること、
総合して至る感想は、
「こんな人たちがここまで言ってくれてて、
こんな僕なんかが理解できて、
こんな僕ですら肌感覚で、あるいは現場で、
同様のことを感じているのに、
なぜ世の中は変わらんのだ?」
だな。

ひろゆきさんがいうには、
有権者として力を持つ高齢者層をみて、
政治家が政策を決めているから
(と僕は理解)
とのことだけどさ。

僕が教員をしていた頃、
高校魅力化プロジェクトを推進しようとしていた時期があった。

miryokuka.com

島根県隠岐島前高校がその取り組みで有名。
その他、全国の過疎地域でこの取り組みが行われてる。

簡単にいえば、

地方の人口流出
仕事がなくなる
さらに流出
子供がいなくなる
地域に高校がなくなる
子育て世代の親は教育機会が充実している都市に移住する
さらに人口流出

という負のスパイラルを食い止める施策。

高校が近くにない、
子供は長距離長時間かけて
高校に通わざるを得ない。
そんなだったら、
小学校、中学校のうちから、
近くに高校のある場所に住んだ方がいい。
高校がなくなる規模の町の経済状況を考えても、
親の働き口だって確保しやすい。

だから、地方にとって、
高校の存在は大きい。

その地域の魅力を活かして、
都市部から生徒に来てもらう。
もちろん、地元の子供達にも選んでもらう。

そのために改革をする。

地方自治体、教育委員会(学校)、住民が、
三位一体となって取り組む。

言い出しっぺは、地方によってそれぞれ。
危機意識の高いところが声を上げて、
全体に広がり成立してる。
つまり、地方自治体から声が上がることもあるし、
住民(地元商工会議所とか)からってこともある。

そんな取り組みなんだけど、

これね、この三者がそれぞれ
真面目にやる気にならないと成立しない。
そして、僕らの場合はそれがうまくいかなかった。

その時に感じたのは、危機感の薄さ。
今という時間軸しか見ていない視野の狭さ。
わかっていたとしても、
今という時間軸、
それは担当者のキャリアだったり、
今目の前にいる人たちの声だったり、
を優先してしまう保身や保守的思想。

そんなのが原因だった(と個人的に思ってる)。

別に、それを否定的に語ってるつもりはない。
事柄には多様な視点がある。
多様な視点の中から、何を選ぶのか、
という決断の問題だったりする。
彼らはそれを選んだだけで、
それを大切にしたいという価値観をもっているだけ。

「未来を思う」ということに正義を置いている人と
「今を波風立てずに」という人とでは、
選択が違って当然。

で、ね。

このシン・ニホンに書かれている山積する課題も、
その対処方法が一向に進まないことも、
構造が質的に一緒だなーって。

この高校魅力化プロジェクトを通じて感じたのは、
中途半端にもう少し大丈夫そうな地域ほど、
このプロジェクトはうまくいかないんだなってこと。
そして、このプロジェクトがうまくいってる地域は、
切羽詰まっていることが自覚されているということ。

今の日本もそういう状況なんだろうな。
なんだかんだいってるけれど、
世界的に上位層にいるし?
生活だって回ってるし?
あえて、波風立てんでも?
って当たりなんだろうな。

この手の現状の課題を並べてくれて、
その対策を考えてくれてて、
未来を思って、
著者の豊富な知識と見識の結晶を、
披露してくれている本には、
決まって過去の日本人が、
這い上がって来たストーリーが書かれてる。
だから、頑張れば、俺らはできる、
と鼓舞してくれる。

諦念じゃないけど、
そのたびに思うのは、

日本人ってどん底まで落ちないとわかんないよね?

ってことだったりする。

黒船が来るまで鎖国してて、
やべーーーってなってさ。
自分たちの国の存亡がかかってる。
ってなってからの急激な成長。

第二次世界大戦の敗戦も同様。

高校魅力化プロジェクトもそう。
まぁ、このプロジェクト自体への評価は別として、
本当にやばくならないと動かないのは一緒。

まぁ、僕も人のことはいえんか。
基本、やばくなってから
動き出す人間だった、そういえば、汗

けどな、
世の中は複雑化する一方だし、
人材獲得合戦で優秀な人は海外に行っちゃうし、
ギリギリになってからで間に合えばいいけどな。

別に牧歌的な暮らしを選ぶのも一つの選択だけど、
あらゆる面で世界において
今の日本の地位を維持したいと思うのであれば、
当時先進国だった国で、
時代の流れに乗れなかった国が、
現在どうなっているか、ってことは、
意識しておこう。

安宅さんや中室先生のような力はないけど、
自分の持てる規模で頑張っていこう、
そう思わせていただいた本でした。