IELTSはアカデミック+アカデミック英語の超基礎訓練になるんだなぁ、と感じた話

最近、やっと重い腰を上げて、
スピーキングのスクリプト作りをしている。

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ぺらぺらぺらと思ったことを英語で表現できれば良いのだが、
そんな英語力は毛頭ない僕にとって、
ぱくちーさんが紹介してくれてるこのやり方は、
なるほどーと思って使わせてもらってる。

IELTS MENTOR から トピックを抜き出してだな。
日本語で考えて、DeepL にぶっこんで、
出来上がった英文を見ながら、
もてる英語力の全力を振り絞って編集。
その後、DMM英会話の先生に添削してもらって。
そして、それを読み込む。

完璧じゃないか。

2週間ほど前、Part 1 51 トピックを作り終えて、
今、Part 3 の 41トピック中、
21トピックまで原案を考え終えた。

しかしだ、、、全然進まぬ。

IELTS MENTOR の Speaking Part 3 の 1 Topic には、
6つの質問が用意されてる。
その 1 Topic を終えるのに、1時間半かかる。

たった、6問の質問。
1問平均15分だ。
日本語で考えて、DeepLにぶっこんで、編集。
こんだけの作業に1問15分。

しかもだ。

できあがった答を、
DMMで添削してもらっている間、
なんども感じる違和感。

論理的整合性が取れていない。

そう思って、見返して、
また書き直して・・・。
本当にイライラする。

Part 1 は、日常トピックだから、
そこまで気にすることはなかった。

「どう思う?」

「んー、こう思う」

って感想レベルでいい。

けど、Part 3 になると、
「ディスカッション」と呼ばれるセクションだ。

議論、つまり、それは、
自分の意見を論理立てて並べないといけない。
Part 1 と区別されてるんだから、
単純に一言感想を述べるんじゃダメらしい。

引用:https://assets.ctfassets.net/unrdeg6se4ke/1wpoTqXl761ju4Oa0NsFfG/3bc32d13e5fcc1e3bc9dc63312bb6936/Band_Descriptors_for_IELTS_Speaking_test_-_JP.pdf

言ってみたら、
IELTS Writing Task2 をスピーキングでやるようなもの。

  • 僕はこう思う。
  • なぜなら、こうだからだ。
  • 例えば、こうこうこうじゃないですか。

ふむふむ、、、
そんなことを意識しながら書いている。

しかし、だ。

そんなことくらいすぐ的そうな気がする。
けど、それが一向に進まない理由は、
質問がふざけた質問ばかりだから。

  • あなたの国の教育は若者に影響を与えていると思う?
  • どのタイプの人(親・教師・友人)が若者にもっとも影響を与える?
  • 未来において何が最も若者に影響を与えると思う?

・・・知らんがな!
んなこと考えたことある人いる???

  • いや、当然、与えるじゃん?
  • 知らんがな、人によって違うじゃん?
  • あなたがいう「その若者」に聞いてください?

って思ってしまう・・・
暇人じゃないんだからさ、そんなどーでもいいこと考えてどーすんの!
そんなこと考えてなんか得あるの?稼げるの?それって美味しいの??

っていつも思いながらイライラする。

ちなみに、これは僕が英語ができないからかな、、、
って思ってたけど、
DMMで添削してもらっている先生も、
「ていうか、IELTS の質問はひどいね、、、」
っていつも言ってる。
僕が「1トピック考えるのに1時間半かかるんだよー」
っていったら、
「いや、僕もそのくらいかかるわ、これなら」
って慰めてくれるほどだ。

一方、

修士開始前に、日本語での知識の蓄えをしておこうと、
読書や論文読みも少し進めてる。

最近読んでいるのは、

Saya さんがおすすめしているこれ。

このページになぜこれがオススメかが書かれてる。

saya-culture.com

これを読みながら、
アカデミックの世界ってやばいな、
と思う。

まだ、第2章の途中なんだけど、
第1章は論文の書き方、論理の展開の仕方、
第2章はリサーチクエスチョンの立て方、
で、
バカじゃないか?ってくらい、
天才的に論理を展開してる。

例えば、
リサーチクェスションを立てるにあたって、
「何か興味があることはありますか?」
と苅谷先生が問いかける。
学生役の人が
「イギリスから帰ってきて、日本の電車が3分遅れただけで『申し訳ございません』となんどもアナウンスしているのを聞いて、なぜそこまで謝るのだろうと疑問に思った」
みたいなことをいう。
それを苅谷先生が「その謝罪は、どの種類の謝罪?」みたいな展開を披露する。

・・・は?

っていう。
リサーチクエスチョンを立てるにあたって、
その疑問を持ち出す方も持ち出す方だし、
「どの種類の謝罪」って、
あなたそんなことまさか日常生活で言ってませんよね?
たぶん、友達少なくな・・・・(失礼すぎる・・・)
ってくらいのが頭をよぎりつつ、、、、

あれ?? ちょ、まって。

この、・・・は?って感覚。

どっかで味わった気が・・・

あーーーーーーー
IELTS の Speaking Part 3 (並びに Writing Task 2 )やんけー。

そ、、、そうか。

そういうことか。

アカデミックの世界ってそういうことなんだな。

研究をする、論文を書く、
ということが、
とっても簡易的に、

こうした、馬鹿げた疑問に端を発して、
論点を探り出し、知識を融合し、
矛盾も昇華させつつ、
論理的に展開して、
ぶれずに結論を導き出す。

と表現するとすれば、

IELTS の Speaking Part 3 や Writing Task2 は、
それのちょーーーーーーーミニチュア版なのか。

馬鹿げたように見える問いに、
論理的ブレが生じないように気をつけつつ、
主張、理由、事例、結論
を並べる。

しかもだ、
イデアが乏しい場合、
調べるという行動も生まれるわ。

Why do you think different cultures have different table manners?
(なぜ異なる文化は異なるテーブルマナーを持つと思います?)

価値観が違うからだろ?
って思うけど、
「じゃぁ、どう違うわけ?」
「その価値観て例えば?」
ってなった途端、知識不足が発生する。
あるいは、知ってるはずな知識も、
何を例として持ち出せば良いのかが、
ぱっと出てこない。

食べ物を残すということに対して、日本は食べ物を残すことは失礼だったり、良くないことだという文化がある。そこには、「もったいない」「無駄にしてはならない」という価値観がある。一方で、中国などは、その逆で残すことが礼儀であるという文化があり、その背景には「出された食べ物を残すことは、もてなしてくれた人に対して、満腹になる程作ってくれたことや豊かさを示すことである」という価値観がある。

というようなことを導き出さないといけない。

事例を述べるだけでも、
食べ物を残すこと、文化、価値観、
といった共通の要素を用いつつ、
異なる現象を挙げて、
価値観が違うからだろ?
って自分が言い放ったことばを、
強いものにしないといけない。

ふむーーーーーーーーーー。
そう考えたら、これから修士に行くにあたっては、
この IELTS は単に英語力がどうこうじゃなくって、
アカデミック界に足を入れる前の、
まぁ、軽い腕慣らし?
超基礎トレーニング?
なのかもしれないと思った。

IELTS は やっぱり、決して敵じゃないなーー。
IELTS は 味方だ。
そして、敵は、それに対応できない、
今の自分だな。

IELTS と仲良くなれれば、
英語力だけじゃなく、
アカデミックに必要な素養も、
少しは磨かれるのかもしれない。

こんな何時間もかけて、
論理的に、事例は、んーーー、
って悩むことも、
無駄なことではないのかもしれん。

IELTS の問題を作っているのは、
Cambridge Assessment English という、
ケンブリッジ大学の一部門らしいけど。

さすが、ケンブリッジ、だな。
くやしいけど、がんばるわ。